カタカナとお察し力

こんにちは、Aki’s Proofreadingの明子です。

みなさんは、幼少期に目にした文字で印象に残っているものはありますか?
わたしは、いつも通っていた踏切の遮断機に貼られていた「非常の場合はこのボタンを押して下さい」という小さなプレートの文字です。
幼い頃なので、もちろんその文章の意味はわかりません。
母が洋裁を得意としていたこともあり、「ボタン」は衣服のボタンのことだと認識していましたし、下さいは「上、下」の下、動物の「さい」、認識できた言葉はそれくらいです(誤認識ですが)。
今思えば、子どもが日本語を覚えていくということは、そういう順序をたどるのかなあと面白く感じます。
漢字は大人の文字、ひらがなは子どもの文字、カタカナは外国の文字、幼いわたしはそのようにとらえていたように思います。

文部科学省の平成20年の小学校学習指導要領解説に、

「片仮名で書く語の種類を知り,文や文章の中で使うこと」とは,擬声語や擬態語,外国の地名や人名,外来語など片仮名で書く語がどのような種類の語であるかを知り,実際に文や文章の中で片仮名を使うことを示している。

引用:小学校学習指導要領解説国語編ー文部科学省

とあるように、カタカナは外国から入るものに対する語にあてるものだと学んだ記憶があります。

ところが先日、信号待ちをしていた時にふと目についた看板広告で、言葉の多くがカタカナで書かれてありました。
内容としては、未来のことや創造性を表現するのにカタカナを用いたのだろうと推測できますが、もしわたしが、学習者として日本語を学んだ人物だとしたら、「カタカナより漢字とひらがなにした方が良い」と感じたことと思います。
そのように「未来のことや創造性を表現したのだろうな」と推測し、カタカナに意味を持たせる脳内変換を読み手に起こさせたというのは、日本人の中にある「お察し力」を用いたものなのかなあと思いました。
そのように読み手側が理解しようと推測する読解の仕方は、外国語にもあるだろうかと、信号待ちの中で感じた出来事でした。
それにしても、もしわたしが学習者として日本語を学んだなら、確実に挫折していたと思います。学ぶことが多すぎで。

それでは、お読みくださり有難うございました。